<裏>少コミガイド
2004年Ver
皆さんは、「少コミ」という言葉をご存知でしょうか?「少コミ」とは、小学館が発行している少女漫画雑誌「少女コミック」のことです。少年誌に「ジャンプ、サンデー、マガジン」という勢力があるように、少女漫画界には「少コミ」と、集英社の「マーガレット」、白泉社の「花とゆめ」という3大ブランドがあります。細かく話し出すとキリがないんで、まぁなんとなくそんな感じなんだなぁと思っておいて下さい。
少女コミックのターゲット層はだいたい「小学校高学年〜中学生の女の子」で、その特色は「アダルトな事柄に興味を持っている女の子に向けた、ちょっとHで過激でドキドキな内容」という感じになっています。「少コミ」は「マーガレット」や「花とゆめ」に比べるとセックス等のアダルトな描写が出てくる割合が多く、そのためそのテの事柄に興味がある、「ちょっと背伸びして大人の世界を覗きたい」という感じ女の子に人気があります。「他誌との差別化」という意味では中々上手い編集方針だと思います。確実に需要ありますし。
小学館少女漫画伝統の「多少アダルトな部分があれば後は好きにしていい」といったワリとアバウトな編集方針が功を奏し、古くは、当時センセーショナルだった24年組の萩尾望都や竹宮恵子が活躍し、その後も才能ある作家が自由にその才能をふるまい少女漫画の歴史に名を残す数々の名作・傑作が生まれ、現在に至るまで「少コミ」ブランドは続いているのです。
とまぁここまでは表向きのガイドでして。
近年の「少コミ」は、それまでの輝かしい歴史に、泥どころか放射性廃棄物クラスのモノをブチ撒けちゃってる状態です。一言で言うなら、「少女漫画」とは名ばかりのエロ無法地帯です。
なにしろ、
「レイプから愛が始まる」
という展開が当然のように存在する、PTAのおばはんに読ませたらとても面白そうな雑誌と化しているのですから。
イケメン様はとにかく強引でキザでカッコつけで、ヒロインはその強引なトコロに何だかんだで惹かれていって、結局最後には両想いになります。だから、イケメン様がヒロインをレイプしようが監禁しようが青姦しようが、最終的には両想いになるんだから無問題。初対面で胸を触ってくる教師とかいても無問題。普通なら開始10ページで護送車の中だと思いますが、「少コミ」だから無問題。
どうもこういう作品が好きな方々は、「こんなにカッコイイ彼に、強引に激しく求められるなんて羨ましいー」みたいな思考回路をしている模様なのですが、好きなら無理矢理襲ってもいいんですか?「イケメン様なら何をしても許される」みたいな感じですが、「法律」ってご存知ですか?
全部が全部上記のような展開ってワケではないんですが、じゃあ他にどんな作品があるのかと説明しようとすると書けば書くほど頭が痛くなるような感じなので勘弁して下さい。同レベルのモノばっかりです。
興味がある方や、自らに苦行を科したいと思う方は、「増刊」とか名前がついた読みきり用の分厚い雑誌を一冊買って読んでみると良いと思います。最後まで投げ出さずに読み切れたら貴方の耐久力は大したものです。
こんな感じで、「少女」の名を冠するのはどう考えてもJAROが許さないと思います。「そこらのエロ本を有害図書に指定する前に「少コミ」があるだろう」と叫ばずにはいられません。
さて、次のページからは、現在の「少コミ」を代表する作家やその作品をいくつか紹介したいと思います。